鳴瀬です

自分のために

会わなくてよかった

一年前、私赤髪だったんです。実は今までに4回程赤髪になった事があります。

 

二年前、憧れの大好きな人が亡くなりました。友人ではなく、血縁関係も無かった人です。私はいわゆる、その人のファンでした。

 

当時受験生だった私はセンター試験前にも関わらず、三日三晩全く勉強せずに涙を流しながらぼーっとしたり大声を出して泣き喚いたりして過ごしました。しかしそんな時でも現実を見てしまうんですね、人間って。センター試験の数日前である事を再認識し、勉強しなくてはという気持ちに駆られました。幸運にもその人とは会ったことが無かったので、私の想像の中や画面の中でまだ生きていると思い込む事によって精神を保っていました。「信じない」事で私は、それまで通りの受験生で居ることが出来ました。もし会っていたらどうなっていたかは、分かりません。

 

以降、私は見た目も中身も大きく変わりました。

海が怖くなり、塩おにぎりが好きになりました。髪を真赤に染め、両耳にピアスを開けました。人に「死ね」と言う事に敏感になり、後悔のないよう伝えたい事は伝える様になりました。周りをよく見て、周りの事を考えるようになりました。その人が生前していたように。

 

最初は意識してこのような事を真似ていました。でも今は、意識しなくても人に優しくなれます。私の人生には欠かせない、とても大事な存在です。

 

2019年5月。時代は令和になりました。その人の知らない元号で生きたくないと本気で思いました。5月が来る事が怖くて、来るな来るなと願っていました。そこで自分も終わらせてしまおうとも思いました。その時にたまたまBUMP OF CHICKENさんの「宝石になった日」を聴きました。涙が止まりませんでした。これからもずっと忘れない、応えがなくても話しかけて名前を呼んで、寂しくても、記憶の中で一緒に生きていきたい。そう思いました。

 

今ではあの人のチャームポイントである赤髪のように真赤に染まった空を、たくさん写真に収めて過ごしています。やっぱり未だに海には入れないけど、明るく毎日を過ごせています。

 

ただ、その人より年上になりたくないという気持ちがまだあるので取り敢えず22歳まで、2022年の7月までは、毎日頑張って生きて行こうと思います。